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実績紹介

2017.12.16  文化・学び事業/観光促進事業

映画『花筐/HANAGATAMI』


シアター・エンヤを運営する一般社団法人「Karatsu Film Project」では、大林宣彦監督作品『花筐/HANAGATAMI』(2017年)の製作に携わりました。
きっかけは、映画館の前身となった「唐津シネマの会」を通して、交流のあった大林監督から、40年前に手掛けた脚本が届いたこと。原作は、三島由紀夫が小説家を志す契機となったともいわれる檀一雄の青春群像劇を描いた『花筐』。実はこの小説、唐津の風景を思い浮かべて書かれたそうで、それを聞いた大林監督一行らは、40年以上前にロケハンで唐津を訪れ、脚本を温めていたそうです。

そこで、当時「唐津シネマの会」は、辻幸徳会長を筆頭に、50年後、100年後も唐津の風景が残る名作を監督とともにつくろうと、まちの名士と言われる人々と唐津のあらゆる団体・地元企業とで「唐津映画製作推進委員会」と一般社団法人「Karatsu Film Project」を発足させ、映画の製作資金1億円を調達し、40ヶ所を超える唐津のロケ地撮影、3000人もの市民ボランティア・エキストラの参加、そして奇跡的に「唐津くんち」や唐津に遺る歴史的建造物や文化財での撮影を実現しました。

のちにこの作品は、第72回毎日映画コンクール「日本映画大賞」をはじめ数々の賞を受賞し、世界25か国を超える国の映画祭に招待されました。
シアター・エンヤは、唐津で『花筐/HANAGATAMI』を製作できた奇跡を唐津の文化遺産として次世代に伝えるため、市民600円で定期的な映画の上映会を行っています。

<作品名>
『花筐/HANAGATAMI』
2017年公開の日本映画( 168分)。大林宣彦監督作品。原作は、檀一雄の純文学『花筐』。映倫区分はPG12。

<解説>
「映画化するのは終生の夢であった」・・・大林宣彦
世界的カルト映画にして大林宣彦監督のデビュー作『HOUSE/ハウス』(77)より以前に書き上げられていた幻の脚本が40年の時を経て奇蹟の映画化。自分の命さえ自由にならない太平洋戦争勃発前夜を生きる若者たちを主軸に、心が火傷するような凄まじき青春群像劇を、圧倒的な映像力で描く。原作は三島由紀夫がこの一冊を読み小説家を志したという檀一雄の純文学「花筐」。尾道三部作をはじめ数多くの“古里映画”を撮り続けてきた大林宣彦が選んだ佐賀県唐津市を舞台に、唐津の魂「唐津くんち」が映画史上初の全面協力。窪塚俊介主演、満島真之介、長塚圭史、常盤貴子ほか。『この空の花』『野のなななのか』に続く本作は、余命宣告を受けながら完成させた大林宣彦的 “戦争三部作”の締めを飾る魂の集大成である。

<物語>
少年は魂に火をつけ、少女は血に溺れる。
1941年の春、アムステルダムに住む両親の元を離れ、佐賀県唐津に暮らす叔母(常盤貴子)の元に身を寄せることになった17歳の榊山俊彦(窪塚俊介)の新学期は、アポロ神のように雄々しい鵜飼(満島真之介)、虚無僧のような吉良(長塚圭史)、お調子者の阿蘇(柄本時生)ら学友を得て“勇気を試す冒険”に興じる日々。肺病を患う従妹の美那(矢作穂香)に恋心を抱きながらも、女友達のあきね(山崎紘菜)や千歳(門脇麦)と“不良”なる青春を謳歌している。しかし、我が「生」を自分の意志で生きようとする彼らの純粋で自由な荒ぶる青春のときは儚く、いつしか戦争の渦に飲み込まれてゆく。「殺されないぞ、戦争なんかに!」・・・俊彦はひとり、仲間たちの間を浮き草のように漂いながら、自らの魂に火をつけようとするが……。

■業種・業態:映画製作(唐津映画製作委員会)
■作品名:大林宣彦監督作品『花筐/HANAGATAMI』
■公開日:2017年12月16日
■WEB:http://hanagatami-movie.jp
■FB:https://www.facebook.com/hanagatami.movie/
■TW:https://twitter.com/hanagatamimovie

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